〜20、A Happy Birthday♪〜
〜前回のあらすじ!〜
午前から30℃を超える暑い夏のある日、さやかは見知らぬ女の子と歩いているはじめを発見!
ひかりと共にはじめの実家を襲撃して捕らえたはじめを本人の家に拉致監禁!
さらに尋ねてきた尚哉をさやかお手製のはりせんによって二度も撃破!
そして……はじめにいもうとなる存在<和泉翔子>がいる事を知ったさやかとひかりだった。
(※随所に過剰な表現が見られますが、何とか的を得ているあらすじです。どうかご了承を…)
外では蝉が元気よく鳴いてる。
さらに鳴き声が部屋の中まで響いてきて余計暑く感じてならない。
その状況下の中で、唸り声を上げている三人の少女がいた。
「むむうぅ〜……」
「むうぅ〜」
「ううぅ〜……」
名前は上から『翔子』『さやか』『ひかり』の順である。
ただ今はじめの部屋の一端で火花を散らしてる。
一体何故この様になったかというと、数分前の翔子の発言が原因だった。
『ねぇ、はじめちゃん』
『ん〜?』
『はじめちゃんはさ、誕生日に何か欲しいものとかってある?』
『いや別にそんなのいいよ。これと言って欲しいものはないし』
『ふ〜んそっかぁ。じゃあさ、こんなのはどうかな?』
『ん〜』
『あのね、私をはじめちゃんにプレゼントするの♪』
それを聞いた瞬間、ぶーーーッ!!!っと飲んでいたお茶を兆速噴射したはじめ。
『し、翔子よ。一体何を言い出すんね!』
いち早くはじめが立ち直り、反論する。
だがさやかとひかりはまだ動揺して動けないままでいた。
そりゃあんな事を急に言われれば…。
『はぁ〜びっくりした。ちょっと翔子ちゃん。あなた達兄妹でしょ? そんな事無理に決まってるじゃない』
『関係ないよ』
『おおありよ!』
『ない!』
『ある!』
『ないったらない!』
『あるっていったらあるの!』
『むむうぅーッ!!』
『むむむぅ〜っ!』
……とまぁ、これが今起こっている事の原因である。
ずっとこのままだとどうしようもないので、はじめは止めに入ろうとした。
「(やっぱりここは、俺が止めるしかないんだよなぁ?…無駄かもしれないけど)お〜い、いつまで睨みあってるんだよ。もう仲直りしろって」
仲裁に入ったが、まるで効果はナシ。
相変わらず『むむぅ〜』や『うぅ〜』などと言った唸り声が聞こえてくる。
と、その時電話の音が鳴り響いた。
「はい、横浜です」
『おう。元気にしてるかはじめ。父さんだぞ〜♪』
「……いいかげん電話でのその話し方止めない?」
『いや、当分止めない』
はじめの言い分にキッパリと、そして即答で答える。
どうやらはじめの父親はおちゃめな性格らしい。
それを聞いて、はぁ〜とため息をつく。
「―――それで、一体なんの御用で?」
『今からラケットもって大至急家に戻ってくる事』
「え、ラケット持って? どうして」
『それは物語の進行上そうなってるからだ』
「………………」
『…と言うのは冗談でだな。久しぶりにはじめをしごいてやろうと思って。近くの公園のコートをとっておいたんだ』
「なるほど。俺は別にいいよ。どの位力がついたか分かるし」
『それじゃ急いでこいよ』
「分かった。んじゃ」
カチャッ
「はじめ〜今の誰?」
「親から。何でも今からテニスをしようって言うからちょっと出かけてくるよ。夕方くらいには戻るから」
そう言ったはじめは、何だか嬉しそうな顔をしていた。
先ほどまでの何か思いつめたような表情は既にない。
「うん。気をつけてねはじめちゃん」
「分かってるって。そっちもちゃんと仲直りしろよ」
ガチャ…パタン
はじめが出かけたので、今残っているのは先ほどの三人だけである。
まだお互い敬遠するかと思いきや、そうでも無くなっていた。
「ねぇ、取り合えずここはもう止めにしようよ。今日ははじめちゃんの誕生日だしみんなで協力して祝ってあげよう。でないと私、何のためにここに来たか分からなくなっちゃう」
「……まぁ、それもそうね。もともと言い争いをしたかったわけじゃないし……それにさっきまでのはじめ、何だか元気なかったみたいだった」
「じゃあここは、仲直りって事ね」
「うん」
無事に仲直りできた三人は話し合いの結果、はじめの誕生日会を開く事を決めた。
今はその内容について話し合ってる。
「あっそうだ。冷蔵庫にケーキの材料ってないよね?」
「私見てみるよ」
タタタッとひかりが冷蔵庫にかけより中を見てみると、材料になりそうなものは無かった。
「ないよ〜どうするの?」
「それなら他の食材と一緒に買い物に行きましょうか」
「さんせ〜い!」
すんなり話が決まると、揃って家を出る。
その際鍵は翔子が持っていたのだが、どうしてかは分からない。
照り付ける日差しの中、商店街を目指していった。
「ひゃぁ……やっぱりお店の中は涼しくて気持ちがいいね」
建物の中に入った瞬間にひんやりとした空気が体を包む。
「そうだね。つい長居したくなっちゃうよね?」
「私もよくそう思うよ〜」
「ほらほら、早く買い物済ましちゃわないとあっと言う間に夕方になっちゃうわよ〜」
「「は〜い」」
何だかこの光景を見てると、さやかがニ人の親というか姉に見えてもおかしくはないんだが。
……ま、それはいいとしよう。
「ねぇねぇ、これなんかケーキに入れたら美味しそうじゃない?」
「あ。あとこれなんかもいいかも」
「バニラエッセンスはどこにあるのかなぁ?」
まずはケーキの材料を買うみたいだ。
甘味調味料やフルーツが置いてある場所を右往左往している。
その光景――つまり平均よりかなり上をいっている美少女三人が歩いていると、やはり目立つのである。
ケーキの材料を買い終えて次に夕食の材料を買うために商店街を見回っていると、ニ軒三軒と声を掛けられる。
「おねぇさん達どうだい、今日はいい肉入ってるよ〜」
「ねぇ、さやか。このお肉で唐揚げ作ろうよ。はじめ喜ぶよ〜」
「そうね。それじゃあおじさん、鳥のもも肉300g下さい」
「ヘイ毎度! おねぇさんたち可愛いからサービスしてニ百五十円でい!」
と、この様にオマケをしてくれるお店もあれば……
「おじさ〜ん、こんにちは」
「おぉ、ひかりちゃんか。いらっしゃい。今日は何にするんだい?」
「えぇっと……レタスと人参とトマトとキュウリ下さい」
「はいよっいつもありがとうねぇ〜。いつも来てくれるお礼にこの新鮮なトウモロコシもつけて五百円にサービスするよ」
「うわぁ、ありがとうおじさん♪」
こんなお店もあった。
どうやら、ひかりは常連客のようだ。
ニコニコとおじさんと話している。
「これで大体材料は揃ったわね」
「うん。いっぱいオマケしてもらっちゃったね♪」
「それじゃ、急いで家に戻ってお料理開始よ」
「「おぉ〜!」」
意気揚々と歩いていく三人組。
その頃、父親とテニスをすることになったはじめはというと……
「ほれっドンドンいくぞはじめ!」
「がってん!(……でも、こんなに激しく動いてると後で筋肉痛になるぞ……?)」
「どうした〜ボールへの反応が鈍くなってるぞ!」
はじめの予想通り、翌日父親が筋肉痛で唸っていたと言うのはまた別のお話…。
しかし腕前の方はまだまだ当分及ばないらしく、あちこち振り回されっぱなしのはじめだった。
……結局、まともに打ち勝てたのは指折り数えるほどしかなく……
まだまだ父親が強いという事を改めて実感していた。
「……ふぅ。まぁこんなものかな。おっもうこんな時間か……そろそろみんなも終ってるかな?」
「はぁ…はぁ……な、何が終ってる……って?」
「何でもないさ。こっちの事だ。にしても、どうしたはじめ〜息が上がってるぞ」
「くそっ…まだ父さんには、勝てない……か」
「精進しろよ」
「わかって……る」
はじめの息が戻るのを待って、ニ人はテニスコートを後にした。
「あっそう言えばまだ翔子たち警戒したままなのかなぁ。あの空間は嫌だなぁ」
「どうかしたのか?」
「いや、どうも翔子とさやか達は合わないみたいで……」
「喧嘩でもしてるのか?」
「そこまではしてないけど、何か唸ってた」
「ならそこはお前が何とかしてやれ。男だろ」
「んな無茶苦茶な……」
父親に促されて、急いで家路に着かされる。
もう直っている頃かなぁ……それともまだなのかなぁ? などと考えながら歩いていると、横から声をかけられた。
「よぉ。横一じゃないか」
「ん? お〜尚哉。もう復活したのか」
「まぁな。でもアレは痛かったぜ〜。オマケに結構飛ばされたしな」
そう言って尚哉が頬の少し下あたりを指差す。
そこには絆創膏がついていた。
なるほど、そこを痛打されたのか。
「はははっ。まぁ無事で何よりだ」
「それでよ、一体あの時何やってたんだ? さやかは大切な事だか大事な事だか言ってたけど」
「……さやかとひかりに拘束されてた」
それを聞くと、尚哉の顔がニヤ〜としてきた。
何か嫌な予感がしてならない。
「ほほぉ〜それはそれは。何かやましい事でもしたのか? 風呂を覗いたとか、または風呂を覗いたとか、されど風呂を覗いたとか、はたまた風呂を―――」
「お前……そんなにテニスボールの変わりにこのラケットで飛ばされたいか?」
「いや冗談だ。それに横一に風呂を覗くような甲斐性なんてないしな。本当はお前の『いもうと』なる存在の事を聞きに来てたんだろ?」
「なっ!? 何で知ってんだお前!」
「俺の情報網を甘く見られちゃあ困る」
情報が人の家の事まで分かるとは、尚哉に隠し事なんて出来ないのではないかと、唖然としながら思うはじめだった。
それにしてもこの情報源は一体何処から来るのだろう?
つくづく恐ろしい情報網である。
「さぁてと、丁度いいから横一の家に遊びにでも行くか」
「家の中きっと凄い事になってるぞ」
「あぁ安心しろ。その事についてはもう大丈夫だ」
「?」
「何でもない。さぁ行こう」
謎めいた言葉が頭に残りながらも、家に戻ってドアを開けるはじめ。
そこに目に入ったのは―――
「ただい………ま?」
玄関の前には大きな垂れ幕があり『はじめちゃんお誕生日おめでとう!』と書かれていた。
それと、台所の方から何やらいい匂いが漂ってくる。
しばらく考えた末、ようやく今日が自分の誕生日である事を思い出した。
「そうだ……今日って俺の誕生日だったんだ。すっかり忘れてた」
「おいおい……自分の誕生日くらい忘れるなよ」
「いや、いろんな事があってすっかり」
靴も脱がずに話していると、とたとたっと廊下をかける音がして翔子がやってきた。
エプロンをしていて、その手にはそれぞれおたまと洋服が。
「はじめちゃんおかえり! ささっ早くシャワーを浴びてきちゃってよね」
「え? あっおう……」
ポンと着替えを手渡すと、翔子は再び台所へと戻っていく。
すると今度は、ひょっこりとさやかが顔だけ出して言った。
「おかえりはじめ。尚哉も来たの?」
「あぁ」
「それなら、運ぶのを手伝ってよね。拒否権はナシ!」
「へいへい。ほれ、横一は早く風呂入って来いって」
尚哉に背中を押されて、浴室へと連れていかれたはじめ。
一通り料理が並べ終わると、揃って作戦会議(?)をし始めた。
「いい? はじめが上がって出てきたら一斉にクラッカーを鳴らすのよ」
「了解♪」
「う〜……早く上がってこないかなぁ。はじめ」
「俺も交じりました」
ガチャッ
「ふぃ〜、さっぱりした」
ホカホカと湯気を出しながらはじめが出てきた。
タオルで頭を拭きながら出てくるのはお約束な事である。
それを見たさやかが、今とばかりに叫んだ。
「ようしっ! せぇの!」
パーンッパパーン!!
『はじめ(ちゃん)(横一)誕生日おめでとう!』
「おわっ!?」
「はじめちゃん、私たちからの誕生日プレゼントだよ」
「一生懸命作ったんだよ〜」
「ちゃんと残さずに食べてね。はじめ♪」
テーブルの上には、様々な料理が所狭しと並んでいた。
中にはとても数時間では作れそうにないものまで並んでいる。
まさにご馳走と言う名にふさわしいものばかりだった。
「うわぁ凄いなこれ。いつの間に作ったんだ?」
「はじめちゃんが、叔父さんに呼ばれてる間にみんなで作ったんだよ。ね?」
「うん」
翔子がさやか達と仲良く話しているのを見て、ほっと安心したはじめ。
同時に、さっき尚哉が言った言葉を思い出した。
『あぁ、安心しろ。その事についてはもう大丈夫だ』
「(なるほど、こういう事か。ちょっと尚哉には感謝だな)」
「ささ、折角のお料理が冷めないうちに食べましょ」
ポンッと手を叩きながらさやかが言った。
約一名だけ、今にもがっつきだそうと言わんばかりに料理を凝視している人物がいるがそれは気にしないでおこう。
「おうっ!」
「ふふっ。それではみなさ〜ん」
「「「「「いただきま〜す!」」」」」
がつがつがつッ……!!
いただきますと言った瞬間に、尚哉は素晴らしいスタートダッシュをかけていた。
それは、思わず一同が引いてしまうほどに。
「尚哉! 今日は俺がメインなんだぞ。毎度の事ながらがっつくな!」
「ふがふがふが(気にするな)」
「気にするわ! ちっとは遠慮しろ」
その毎度の事ながら言い争い(?)をし始める。
はじめの言葉を聞きながら食べ物を口に運ぶ尚哉と、尚哉に抗議しながらしっかりと自分の分をよそっているはじめ。
食べ物を口に含んでいる状態で喋っている尚哉の言葉をはじめがしっかりと聞き取り理解しているところは流石だ。
それを見て女性陣も笑いながら食べている。
これがいつものはじめ達の食事風景なのである。
みんなでワイワイ楽しみながらご飯を食べていると、ピンポ〜ンと呼び鈴が鳴った。
「あっ誰か来たみたいだ。はーい」
はじめが玄関に向かい、ドアを開ける。
するとそこには、一人の少年の姿が。
「はい、どちら様ですか?」
「あっ……夜分遅くすみません。あの、こちらにしょう―――あ、いやっ和泉さんは居られますか?」
少年は深々と礼をした後、和泉――つまり、翔子の名を出した。
その際どうしてここに翔子がいることを知っているのか疑問に思ったはじめだが、とりあえず翔子に来客と言う事で後ろを向くと彼女を呼んだ。
「翔子〜お客さんだぞ」
「はーい」
トタトタっと言う軽い足音と共に、玄関に向かって来る。
「だれ〜はじめちゃん。おじさんが来たの―――って、あぁ、浩君!? 何でここに」
その少年の姿を見た翔子が、たいそう驚いたような顔をしている。
逆に、浩君と呼ばれた少年は特に驚いたような風でもなく、腰に手を当てて言った。
「あっ、お前急に部活休んでどうしたんだよ。部長が心配してたぞ」
「えっ部活を休んだ? そんなハズは……だって、月曜からお休みだって」
「あの後電話で日程変更の知らせがあって、それで翔子に教えようとしたら繋がらないし」
「あ、そうだったの?」
「やれやれ。まぁ、翔子が無事でよかったよ。あっどうもすいません。突然押しかけたりして」
浩君と呼ばれた少年が、再び頭を下げる。
一体何なんだ?全然展開が読めないぞ?それに、浩君って一体……誰?
と、はじめが思っていると、それを察したのか翔子の方から紹介が入った。
「あっ紹介しないといけないね。え〜っと『高原 浩』君って言って、私の……彼氏さんなの。浩君、この人がこの間話してたはじめちゃんだよ」
「ど、どうもこんばんは。……高原です」
「あっいや、こちらこそ」
よく分からないが、挨拶がギクシャクしているニ人。
「それにしても浩君、どうして私がここにいるって分かったの?」
「あーそれは、おじさんとおばさんに聞いてきた。それで住所を教えてもらって、横浜さんの家に行ったらここだって教えてもらったんだ」
「それで、わざわざここまで来たの!?」
「ま、まぁ……な」
顔を赤くしながら答える浩君。
彼女の事を心配してここまで来るとは、よほど翔子の事を想っているのだろう。
それを知ってか、翔子の方は満面の笑みを浮かべている。
反対に、浩君の方はますます顔が真っ赤になっていた。
「そうだ。ここで話すのもなんだから家に上がっていくかい?」
「あっいや、そんな……悪いですよ」
はじめの誘いに、ぶんぶんぶん、と手と首を器用に同時に振っている。
逆に翔子の方はぱぁっと笑顔になっていた。
「それいい考えだよ〜。安心して浩君、はじめちゃんは取って食べたりしないって。だから……ね? いいでしょ?」
「食わんって。まぁ、それはいいとして今日はもう遅いんだし上がっておいでよ」
「……じゃあ、お言葉に甘えて。…お邪魔します」
突然の来客者があったが、その後も楽しく宴は進んだ。
浩君も慣れてきたみたいで、笑顔をよく見せるようになった。
「それにしても、翔子ちゃんって凄いね。もう彼氏がいるんだもん」
「え〜そんな事ないよ〜」
女の子勢は、こう言った『恋愛話』が大好きだ。
それには入れないはじめたちは、笑いながら雑談している。
「そう言えば前から気になってたんだけど、どうしてはじめと翔子ちゃんは兄妹なのに苗字が違うの?」
「え、兄妹? 私とはじめちゃんが?」
「うん」
「違うよ、私は従妹だよ」
「いとこ!? そうだったの」
「兄妹なのに苗字が違ったら怖いよ〜」
「じゃあなんではじめは翔子ちゃんのこと『妹』って言ってたの…?」
さやかがはじめに尋ねる。
すると、鼻の頭を指でかきながら小さく答える。
「…従妹とは言え、俺から見れば妹見たいなものだし。翔子もそれでいいって言ってたからずっとそのままなんだよ」
意外(?)な真実に頭を抱えるさやか、ひかりの両ニ名。
それって、よく考えればすぐに出てくるのでは?
「「そんなの聞いてないわよ〜(よ〜)」」
―――その後、宴は深夜付近まで続いた。
夜も遅くなっていたので、一同このまま泊まっていく。
浩君も、親に電話して了承を得ていた。
…夏とは言え、夜になれば涼しい風が部屋に入り込むようになる。
段々と夏の暑さが和らいでいくようにも感じてならない。
どこからか聞こえてくる蛙の鳴き声に、スズムシの鳴く声も混じり始めていた。
夏休みも半分を切っている。
でも、それでも夏はまだまだ真っ盛り―――
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