・僕と彼女と・
〜だいじゅうきゅうわ〜
〜だいじゅうきゅうわ〜
〜それはちょっとだけ未来のある日の物語〜
最近、休みが嬉しくて仕方がない。
理由? そんなのは特にない。
ただ朝遅くまでゆっくり寝てられる幸せに浸りたいだけかもしれない。
平日は学校に家事にと忙しいからかな。
何もかも忘れて今日は昼くらいまでゆっくり……
げしっ
………………
…出来ないかも?
そうそう、ちょっとした業務報告をば。
別に誰に言うでもない。
ただなんとなく口にしてみたくなっただけ。
用は、独り言なのかも。
季節は結構流れて初夏。
一年生だった俺も学年が一つ上がって高校二年生。
彼女であるミリィさんは三年生になった。
三年といえば、大学受験シーズン到来。
自然と一緒にいる時間も短くなる……
「ぅう、ん……もぅサンドイッチ食べられないょ……」
短くなる、ハズだった。
でも、結果的に前から全然変わってない。
むしろ、最近は俺の部屋にいることの方が多くなったような?
なんて言うか、半同棲生活……とでも言うのかね。
別に部屋を借りて二人で住んでるってことはない。
さすがにそこまでの経済力はないし。
とにかく、俺とミリィさんの時間は変化なし。
じゃあ一体どうなってるのかといえば、答えは簡単。
ミリィさん『今年は受験しない』とのコト。
それを知ったのはそろそろ一年も終わろうかという三月の頃。
俺が何となく、今年は受験ですね、なんて言ったら、
『え、あたし受験しないよ?』
なんてサラッとのたまったものだから驚きだ。
その言葉どおりに、学年が上がってから今日まで一度も“受験勉強”なるものに手をつけてない。
学校が終われば夜まで遊んでるし、たまに家にも泊まっていく。
ほんとうに、微塵も、何にも、だ。
人は人、自分は自分。
だから受験勉強に必死になってる人もいる三年の中でも、まるで何処吹く風のようにマイペースで学校生活を送ってる。
なんでも、一年待って俺と一緒に大学に行くとかで……。
嬉しい反面、ちょっと悪いような気もするんだけどね。
俺、何が何でも現役で受からないと大変なことになるなぁって。
…って言うか俺は大学には行くぞ?
料理の専門学校なんて選択肢はないからね?
お袋に真剣な顔で言われた時はちょっと泣きそうになった。
嗚呼俺ってば完全に主夫扱い……。
……話がそれた。
結論!
俺とミリィさんは仲良くやってます。
にしてもホント誰に言ってるんだかね、これ。
「…………はぁ」
ちらりと横を向くと、すぐ傍でミリィさんが幸せそうな顔をして寝ている。
掛け布団から除く白くて柔らかそうな肩口がなんとも。
布団の中でモゾモゾ動くと、それが俺の肌に直に伝わってくる。
何てことはない。
俺もミリィさんも、服を着てないからだ。
…えーとまぁ、そういう訳でして。
今日昼までゆっくりしてたいのはそう言った理由もあるから。
さーすがに眠たい。
時計に目をやると、針はそろそろ11時を刺そうとしてる。
……なんだよ、もうすぐ昼じゃん。
全然寝た気がしないけど、5時間くらいは経ってるんだなぁ。
「ミリィさん、もうお昼ですよ」
片手を伸ばして、そっと肩を揺らす。
しばらくすると反応が返ってきた。
「……にゃ?」
「おはようございます」
「……せーちゃんだぁ」
「そろそろ起きましょう。お昼になってます」
「……ねむい」
「俺だって眠いですよ」
「……外、寒い」
「それは服を着てないからです」
「……せーちゃんが脱がした」
「いや、そこでそれを言われると…」
「……明け方まで寝かせてくれなかった」
「だ、だからですね。って、それを言うならミリィさんだって」
「……まだ寝てようよぉ」
嫌だとばかりに布団の中に潜り込む。
髪の毛がわき腹辺りを動き回ってくすぐったい。
「寝すぎて今夜寝れなくなっても知りませんよ」
『……そしたらせーちゃんも寝かさないー……』
こもった声が聞こえてきた。
なんだかんだ言いつつ意識ははっきりしてるらしい。
ただ今はこのぬくぬく感に浸りたいだけみたいで。
…もう、しょうがないなぁ。
「どうなっても、知りませんよ?」
『……ケダモノー』
「………………」
言葉を返す代わりに、俺も布団の中へ潜り込む。
中ではミリィさんが丸くなっていた。
でも目はちゃんと開いてる。
「たまには、こう言うのも悪くないかもしれませんね」
「でしょー? どうせ明日も休みなんだから、ぐ〜たらいこうよ」
そう言って丸まっていた身体を伸ばして俺に抱きつくミリィさん。
柔らかな胸が直接ふにゃっと押し付けられた。
「お腹、空きません?」
「んー、別に空いてないよ? だってせーちゃんがたくさん中に――――」
「そ・れ・は、違います。もう、完全に起きてるじゃないですか」
「ごろごろしたいの〜。起きるのメンドクサイの〜」
ミリィさん、ワガママモード全開。
それを沈めるかのように、抱きしめ返して額と額をコツンと当てる。
「まったくもう、困った彼女さんです」
「せーちゃん専用・専門に困らせる彼女さんなのです」
「ひどいなー」
「でも、こんな事するのもせーちゃんにだけなんだからね?」
こんな事って? と言う前に口を塞がれ、すぐにミリィさんの舌が唇を割って入ってきた。
舌と舌が絡み合って、ぴちゃぴちゃと淫らな音を奏でる。
あ……やばい。
「ぅん……思い出しちゃった?」
「そ、そりゃ、こんなコトしてたら」
「別に、あたしはいいよ?」
「でもまだお昼ですし……」
「……気にしないの」
問答無用とばかりにまた口を塞がれる。
あーもー、なんだろね。
休みの昼間から……。
とは言え、それに対して否定しきらない俺も俺なワケで。
結局、お昼を過ぎても俺たちはベットから出ませんでしたとさ。
まぁこんなものかと?
も ど る