どこかへのプロローグ V


桜が咲き乱れる新たな季節、春――――

どこまでも高く蒼い空が広がる、夏――――

木々がいろとりどりな色彩を見せる、秋――――

一年の終わり、そしてはじまりが訪れる、冬――――


これらを、もう何回見てきただろう?
一緒にいるはずだった人の面影を重ねながら……
キミは、今本当にどこにいるんだろう……?
いつになったら、また俺に笑いかけてくれるんだろう……?
いつか……いつか……


桜が咲いても全然新たな季節にならなかった、春――――

どこまでも高く蒼い空が、広く感じられなかった、夏――――

木々の鮮やかな色彩が、恨めしくてしかたがなかった、秋――――

一年間の絶望とまた次の絶望を生み出すことしかなかった、冬――――


俺は、あと何回巡ればキミと逢えるんだ?
あと何回、この苦しみを味わえばいいんだ?
俺……もう涙が出なくなったよ。
最初はあんなに流せたのに、もう……枯れちまったのかな…ははは。
二人でいたときはあんなに狭く感じた時もあった部屋が、今じゃ果てしなく広く感じてるよ。
おかしいよな……絶対、おかしいよな……大きさ、変わってないんだぜ…………おかしいよ…。

桜が咲き乱れる新たな季節、春――――

どこまでも高く蒼い空が広がる、夏――――

木々がいろとりどりな色彩を見せる、秋――――

一年の終わり、そしてはじまりが訪れる、冬――――


もう時期また…………
寒かった季節が終わって…………
新しい芽が顔を覗かせる春がやってくる…………
ねぇ……俺にも、春がやってくるだろうか…………?
またキミと笑える日が、来るのだろうか――――――――


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