どこかへのプロローグ U


思えば、これは俺自身が招いた事態と言えよう。
あの時……俺がもっとしっかりしていればこんなことには……
そう思うと、悲しくて、悔しくて、自分自身に腹立たしくて、涙が止まらない。
俺がふがいない所為で、俺は一番大切なものをこの手より離してしまった。
戻れるものなら戻りたい。
あの日あの時あの瞬間、いや……
全てが楽しかった頃に。
今になって思う、なんでもっと楽しもうとしなかっただろう。
なんでもっといろんな事を思いつかなかったんだろう。
連れて行ってあげたい場所もあった。
見せたいものもあった。
プレゼントしたいものだって……
もう全ては幻となった。
俺からは全てが失われた。
俺は……俺は自分自身が嫌いだ。
こんな状態の俺を見たら、何ていうかな…。
呆れるかな……
嫌いになるかな……
それとも、心配してくれるかな……
なぁ、今キミは何処にいるんだい……?

カタン…

まるで返事をするかのように、使う主のいなくなったマグカップが流しで音を立てた――――――


N e x t T o p